契約関係
フルメンテナンス(FM)契約
消耗品(パーツ・オイル・グリス)に加え、稼働する消耗部品の交換および調整も料金体系に含めた保守契約です。
POG契約
Parts, Oil and Greaseの略で、パーツ(蛍光灯やヒューズなどの小部品)、オイル(潤滑油)、グリース(軸受け部等の潤滑剤)などの消耗品の交換を基本とする保守契約です。それ以外の部品(稼働する消耗部品)とその交換は料金体系に含まれません。
リニューアル/モダニゼーション
古くなったエレベーターの改修工事です。全面的な改修または部分的な改修により、主要部の機能を取り戻し、安全性を確保します。製造元の部品供給停止への対応策にもなります。
エレベーターの種類
ロープ式エレベーター
ロープと巻上機を利用してカゴを昇降させるエレベーターを差します。機械室ありのタイプと、マシンルームレスと呼ばれる機械室なしのタイプがあります。
油圧式エレベーター
油圧ユニットを利用してカゴを昇降させるエレベーターを差します。
マシンルームレス
ロープ式エレベーターの中でも、駆動装置や制御装置を昇降路内へ収めたエレベーターのことを差します。
エレベーターの基本構造
カゴ
人や荷物を乗せ、昇降する箱のことです。
機械室/マシンルーム
エレベーター駆動装置や制御装置を収めたエレベーター専用の部屋のことです。
昇降路/塔内/シャフト
エレベーターのカゴやつり合いおもりが昇降する筒状の空間で、ガイドレールや様々なエレベーター機器が内部に収められています。
乗り場
各階のエレベーター乗り場のことです。
三方枠
各階乗り場の、床以外のドアを囲む枠のことです。
巻上機
エレベーターを動かす為のモーター・減速機(ギア)・ブレーキ・綱車などを組み込んだ機械(駆動)装置です。
制御盤
エレベーターを動かす為の電子機器・回路の集合装置です。
操作盤
各階乗り場やカゴ内に設置されている、押しボタン等がついているパネルです。
インジケーター
各階乗り場やカゴ内にある表示装置です。各階ごとにランプで表示するアナログ式と、文字で表示するデジタル式があります。
各種装置・機能
調速機/ガバナーマシン
エレベーターの速度が定格速度を超過したことを検出する装置です。速度超過を検知し、安全回路を遮断します。さらにスピードが上がった場合は、非常止め装置を動作させエレベーターを止めます。
非常止め装置
調速機(ガバナーマシン)に連結され、調速機が作動するとガイドレールに作用し、エレベーターを強制停止させる装置です。
緩衝器/バッファー
カゴまたはつり合いおもりが昇降路の底部に激突した場合に、その衝撃を和らげる装置です。ばね式と油入式があります。
電磁ブレーキ
エレベーターを所定の位置に停止させ、その状態を保持させる装置(制動機)です。
停電灯
停電によりエレベーター内の照明が落ちた際、自動点灯するエレベーター専用照明装置です。
ドアスイッチ/ゲートスイッチ
エレベーターのドアが開いている時はエレベーターが運転しないようにするスイッチです。エレベーターが運転中にドアが開くと、ドアスイッチの接点が離れてエレベーターを直ちに停止させます。
ファイナルリミットスイッチ
エレベーターの正規の減速装置がトラブル等で作動しなかった場合に、エレベーターが行き過ぎないよう原則停止させる装置です。行き過ぎ制限スイッチともいいます。
光電管装置/マルチビームセンサー
出入口に設置され、人や物を検知するセンサーです。ドアが閉まる時にセンサーから出ている光を遮ることで人や物を検知し、戸締動作を停止、反転(戸開)させます。
地震時管制運転
P波感知器またはS波感知器により地震を感知し、運転しているエレベーターを自動的に最寄階へ停止させた後に運転を休止させる、2次災害を防止することを目的とした運転機能です。
火災時管制運転
火災が発生したときに、火災報知器などに連動してエレベーターを避難階へ自動的に運転させた後に休止させる、2次災害を防止することを目的とした運転機能です。
停電時自動着床装置
停電によって電力が供給されず、エレベーターが階と階の途中で停止したときに自動的にバッテリー電源に切り換えて、エレベーターを乗り場停止位置まで移動させ、ドアを開き、かご内に乗客が閉じ込められたままの状態となることを防ぐ運転機能です。
非常時直接通話装置
一般電話回線やPHS回線を使用してエレベーターのかご内のインターホンから監視センターに通報する装置です。かご内操作盤の非常ボタンを長押し(約5~10秒間)することで自動的に管制センターに接続する事が可能で、閉じ込めや故障が起こった際に当社監視センターと通話が可能です。
遠隔監視装置
一般電話回線やPHS回線を使用してエレベーターを監視する装置です。異常等を検知した際に監視センターに自動的に通報する装置です。主に電源異常、ドア異常、安全回路異常等を監視しています。
戸開走行保護装置(UCMP)
エレベータのブレーキの二重化を2009年法令上義務付けられました。ロープ式エレベータには常時作動型または待機型があります。戸開走行保護装置は国土交通大臣の認定取得が必要です。油圧式エレベータについても同様です。